バカで非論理的な記事に騙されないための情報やデータの使い方2
前回は、事実と解釈について触れました。
さて、今回は、データとして公表されている『事実』の信憑性です。
多くのネットで見かけるトンデモ話は、
データの出所が不明です。
科学的データなのであれば、
誰がいつ、どこで、どういう背景と仮説のもと、
どんな条件設定で、どういう実験を行ったのか。というのを明記するのが当たり前です。
それを、よくわからないリンクだけを出していたり、
なんとなく感覚でやっていて実験などもよくわからないものが採用されていることが多いです。
たとえば、トランス脂肪酸のお話が最近出ていますが、
トランス脂肪酸は『食べるプラスチックだ』とかいって、
なんだか、アリがバターや砂糖には群がっているけれども、
マーガリンには群がっていない写真が使われることが多いですが、
写真だけで、それがどういう条件のもと、
アリがどういう種類で何を好むのか。ということも示さないまま、
とりあえず、使えそうな写真だから使いました。っていうのがある。
あ、ありました。これですこれ。
きちんと科学的にこれを使うのであれば、
アリの特性をきちんと示した上で、マーガリンの成分、
バターの成分の違いを示しておかないと、
まったくよくわからない画像となる。
たとえば、『トランス脂肪酸』といっても、いわゆる人体によくないとされる、
副生成物でも数%〜8%の含有量なので、
じゃぁ、ほかは植物性油だったり動物性油だったりするわけです。
バターは、牛乳などを使っているわけで、
アリの好みはどっちか。という基礎研究ありきでないと、
『アリが群がらないから危険だ!危ない!
プラスチックだ!』と言うのは、お粗末過ぎるわけです。
きちんと悪影響を示すのであれば、
こういう煽り方でなくて、丁寧に分析したものや、
どういう人体影響があるのかを示せばいいだけなのです。
さて、データの信憑性ですが、
これほど難しいものはありません。
信憑性が高いとされる論文誌に認められ掲載されているものも、
後々に覆されることもあります。
また、きちんと条件などを見ていないと、
まったく別の話になっていることもあるので、
それも含めてきちんと把握しなくてはいけないのです。
あと、そのデータの解釈の仕方も、
人によって異なるので、ここも重要です。
ある人は、優位性があるというかもしれないし、
こんなの誤差範囲だというかもしれない。
どちらを信頼するかは、
意外と個人の知識量や論理展開に委ねられることがあります。
環境基準値なども、決め方で専門家の意見がわかれることもありますからね。
まとめると、より信憑性が高いデータは、
だれが、いつ、どこで、どういう背景で、どういう仮説をたてて、
何を主張するために行った実験なのか。 というのが、
より明確でわかりやすいことが重要です。
そして、バカで非論理的な記事に共通するのは、
自分の主張に都合のいいデータしか持ってこない。ということです。
よくこのとんでも話に、正確なデータを引用ありきでもってくる人もいて、
そうすると発信者は、
『それは、国が都合のいいように作り直したデータだ!!!!』とか言って、
何の根拠もソースもないことを言い出したりします。
そして、自分のソース不明な、
だれが何のために実験したのかわからない条件設定もよくわからない実験結果や、
又聞きしたなんとなくな実験結果を見なさい信じなさい!と言う。
別に僕自身は、
危ないものを危ないということも、
あるかもしれない利権や癒着関係からの不手際を世に訴えるのも悪いことだとは思ってませんし、
きちんと裏がとれてたりするものだったら、全然拡散します。
でも、実際はそうであるものはなかなかない。
データの出所が微妙なものばかりであることが多い。
だからこそ、やはり、きちんと知識を身につけ、
データの信憑性をある程度判断できるようになっておかないといけないわけです。